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拍手ログ02 Calling(金日) Calling(吉日) Calling(弁望) |
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Calling(金日) 「………もーし、もし…」 「あ、先生、やっと出た!もう何回目のコールだと思ってるんですか!…もしかして、まだ寝てたんですか?もうお昼ですよ!もう、日曜の昼だからっていって、寝過ぎですよ」 「…ちょっと待て、お前さん…何故この番号を知っている」 「理事長に聞いたんですよ。昨日、夕食をご馳走になったので。すっごいんですよ!!回らないお寿司屋さんなんて私、初めてで…」 「ちょ、ちょっと待て!!理事長って、吉羅か?あの…」 「はい、吉羅理事長ですよ。先生、何寝惚けてるんですか?」 「あの吉羅に、夕飯奢ってもらった、だ?…何、考えてるんだ、アイツ…」 「はい?何ですか?」 「…いいや、独り言だ、気にすんな。で、何か用か?」 「…いえ、別に、用って程のことじゃ…ただ、試しにかけてみたかったっていうか…」 「なんだ、いやに歯切れ悪いな。…そう言えば、周り騒がしいな。今、外か?」 「はい!今、公園で一人で練習中なんです!…だから、あの…」 「うん?」 「…今日は、せんせい、いないなって思って…」 「………」 「………」 「…まずいな、これ、不意打ちだろ…電話で良かった…」 「はい?すいません、今の聞き取れなくて…」 「いや!何でもない!何でもないぞー!!」 「ごめんなさい、迷惑だった、ですよね。勝手に番号聞いて、いきなり電話して。…やっぱり、私誰かに電話して練習付き合ってもらいます。その方が上達早いと思うし…そういえば、加地くんが最近熱心に練習に誘ってくれるので加地くん誘って…」 「あ!いや!迷惑なんかじゃないぞ!!あー、そういえば、俺昼飯まだだった!!お前さんは?」 「私もまだ、ですけど…」 「ちょうど!今!昼食べに出掛けようと思っていた所だ!!…回らない寿司、とはいかないけど、陣中見舞いに何か奢るぞ」 「ほんとですか!!…嬉しい!!じゃあ、私公園で練習しながら待ってますね!」 ピッ 「…さーて。急いで支度っと…」 ―さて、ライバルは誰でしょう?― |
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Calling(吉日) 「………もしもし?」 「私だ」 「……………きら、理事長!?何でこの番号知ってるんですか?」 「都築くんから聞いた。今日は、これから練習する予定かね?」 「はい。今日は日曜日だし、公園に行って練習しようと思ってます」 「そうか。では、夕食に付き合いたまえ」 「…はい?」 「今から練習すれば、7時までに十分練習する時間があるだろう。今夜会食する予定の人物に、急用が出来てしまってね」 「…はあ」 「公園に6時に迎えに行く。それでいいね?」 「…あ、はい。…あ、吉羅理事長!!」 「何だね?」 「何で代役が私、なんですか?」 「………」 「………」 「…君と食事をするのも、面白い、と思ったからかな」 「わざわざ、都築さんに私の携帯番号を聞いて、ですか?」 「………」 「………あ!!今の失言です!!忘れてください!!」 「…君は、本当に興味深いな」 「…は?」 「6時に迎えに行く。では」 ピッ 「…本当になんなんだ?相変わらず、分からない人、だなあ…」 ―知らぬは本人ばかり也― |
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Calling(弁望) ―望美さんへ― 望美さん、君は初めて逢った時から、本当に不思議な人でした。 初めは、可憐な、普通の少女だと思っていました。 しかし、共に戦いの日々を過ごすうちに僕の認識は大きく変わりました。 君は震える手を必死に支えて、気丈に剣を振るっていましたね。 僕は、それをいつも見て見ぬ振りをしていました。 …それは、君はいつも心に何か重大な決意を秘めているように見えたからです。 それが何なのか、僕は未だに図り知ることは出来ません。 しかしこの数年、共に同じ屋根の下で起き、同じものを見、語り合ったり時には衝突したりして、少しは君の心の中を伺い知る事が出来たような気もします。 この数年、僕は本当に幸せでした。 …ありがとう、望美さん。 しかし、心の片隅で何度も思うのです。 …罪にまみれたこの僕が、本当に幸せになっても良いのだろうか、と。 この幸せが、いつか壊れてしまうのではないか、と何度も不安に駆られました。 …僕は、君を家族から、友人から、元の世界から引き離してしまった。 いつか、報いる時が来るのだろう、とずっと思っていました。 望美さん、僕は君から旅立ちます。 しかし、今までもこれからもずっと、僕は君だけを想い恋い慕い続けるでしょう。 それは離れていても、決して変わることのない、嘘にまみれた僕のたった一つの真実だからです。 本当に、宝物のような時間を。 君のくれたこの数年は、どんなに感謝の言葉をを尽くしても足りません。 そして、今まで側にいてくれてありがとう、望美さん。 ―愛しています―弁慶…って、望美?」 「…あは…は」 「弁慶殿は、薬の仕入れの関係で7日程他国に行くんでしょう?」 「…うん、その間物騒だから、朔と景時さんの所に居てくれって…弁慶さん旅立つ前にお願いしに来たでしょ?」 「ええ。で、旅立った後にこの置手紙が見つかった…と」 「…うん…達筆過ぎて、名前の所しか読めないから朔に読んでもらおうと思って持ってきたんだけど…あ、は!弁慶さんたらたった7日なのに大げさだよねえ。…でも、こんな風に私のことを想っててくれたなんて、嬉しい…」 「ああ、ほら、泣かないの!…ただの惚気にも見えるけど…」 ―襖の向こうから聞き耳を立ててる兄上を牽制しているとしたら、大した策士だわ。 |
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